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December 18, 2011

戦火の果て 上・下 デイヴィッド・L・ロビンズ

デイヴィッド・L・ロビンズといえば、映画スターリングラードの原作にもなった「鼠たちの戦争」なんかが有名ですが、この「戦火の果て」という作品も、中々壮絶で迫力のある作品でした。

物語は複数の立場の違う登場人物たちが、ほぼカットインカットオフで断片的に描かれ、それらがまとまりつつ第二次大戦の群像劇となるようなスタイルをとっている。米軍従軍記者、ソ連懲罰大隊所属兵士、ベルリンフィルの女性チェロ奏者。

物語の始まりは、1944年12月31日。舞台は、テネシー州、ヴィスワ川西岸、そしてベルリンから始まります。自分が特に感情移入できたのは、ヴィスワ川からゼーロウを超えベルリンへ到達するソ連軍兵士でした。

スターリングラード以前から参戦してきたというこの兵士が、半ば自殺を企てているかのような「英雄的」な戦果を挙げるたび、冒険活劇とはまったく異なる印象が胸に残ります。激戦を越え、ついにベルリンへ到達したとき、ソ連の大祖国戦争は勝利へと導かれていくわけですが、と、同時にスターリンによるソビエト連邦独裁継続も決定的となるわけであります。どこにも救いの無い中、この兵士が物語の終末に行う決断に胸を打たれます。

戦中の神々たる、スターリン、チャーチル、アイゼンハワーなどとともに戦史をなぞりつつ、壮絶な現場の人間たちの描写が一つ一つ胸に迫ってくる傑作です。年末休暇のの締めくくりに是非どうぞ。オススメです。

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