May 26, 2025

Ney vs. Wellington: The Battle of Quatre Bras

2025年5月24日、少しぐずついた天気の中、青森ゲーマーズネスト5月例会を開催しました。
Ney vs. Wellington: The Battle of Quatre Bras をプレイしました。

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久しぶりのウォーゲームのプレイ機会ということで、事前にルールブックを読み、VASSALなどでコンポーネントを眺めつつ準備をしたつもりだったのですが、なにせ私が不慣れなため、第8ターン終了時までしか進まなかったけど、それでも得るものは多かったです。

このゲームの背景となったカトル・ブラ(Quatre Bras)の戦いとは、ナポレオン戦争の最後期(1815年6月16日)に行われた戦いの一つです。フランス軍の勇将ネイはナポレオンから「要地カトル・ブラの十字路をすみやかに確保せよ」と命じられ、英軍ウェリントン公をはじめとする同盟国軍と激突した戦いです。

ゲームのスケールは比較的小さく、1ヘクス=100メートル、1ターン=15分です。ユニットには向きがあり(正面・側面・背面)、隊形変換などで歩兵には縦隊や横隊、砲兵には大砲の着架・脱架などの状態が変わります。もちろん騎兵突撃や、カウンター砲撃なども再現できるようになっています。加えてLOS判定に、等高線高度とヘクス数を公式に代入計算する判定法など、1970年代のSLGが持つ熱を感じることができました。

なんといっても、ナポレオン戦争当時の用兵について理解と発見がありました。散兵線の使い方、歩兵の縦隊と横隊の違い、砲兵脱架位置、騎兵の使い道など、「なるほど」の連続でした。今後、ナポレオン戦争の戦術級を遊ぶ時には参考になりそうな情報が盛りだくさんでした。

プレイ中、白兵戦の結果によって、戦列の一部が動揺すると、隣接ユニットも次々と動揺し始め連鎖的に後退を始めたりすると、「列を崩すな!誰が後退して良いと言ったんだ!戻れ!臆病者!戻って戦え!」と叫びだしたくなったりするあたり、結構リアルに現場指揮官の心情が再現できてるんじゃないかとも感じました。

本当にあっという間の8時間でした。

再戦を約して散会しました。ふなきさん、翻訳及びプレイエイドの作成、感謝感謝です。

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May 06, 2025

タクテクスNo.1(その3)海洋の覇者ルール

さて、次のページには、(AH)War at Sea(邦題:英独大西洋の戦い) とVictory in the Pacific(邦題:太平洋の覇者)を連結して遊べるという「海洋の覇者ルール」の紹介が掲載されている。

ご存じの方も多いと思うが、 War at SeaはWW2におけるナチスドイツ及びイタリア海軍対イギリス海軍との戦いを描いたゲームであり、Victory in the Pacificは、ほぼWar at Seaと同様のルールで帝国海軍対アメリカ海軍との戦いを描いたゲームである。

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ほぼ同様のルールを用いた両ゲームであるため、これを「カリブ海」と「喜望峰」マップで連結して楽しもうというルールがこれに当たる。連結ルール専用のコマも提案されている。成程、色々調整は必要だけど、これで大西洋と太平洋をつなぐ大きな規模でのゲームが遊べるということになるらしい。

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個人的には違う味の料理を同時に食べるような気分になり、余り食指が動かない。それぞれのゲームがイイ感じに引き締まったゲームであるのだから、わざわざ一緒にしなくてもいいような気がする。

実際、規模の大きなゲームやコマ数が多いゲームは、相手方のダウンタイムばかりがどんどん長くなり、興を削ぐのではないかと思っている。
1つのコマを動かすのに10秒掛かるとして、自分の担当する駒が100個あるなら、1ターンに1000秒(16分40秒)掛かる。

相手にしてみたら結構なダウンタイムだ。これにわざわざ別のゲームも連結して、倍の200個のコマに増やすと、33分20秒、相手がコマを動かすところをじっと見ていなければならない。

多人数で遊ぶならともかく、もはや2人用ゲームには向かない気がしてくる。(いまなら、手元の端末で別のゲームでもしてしまうかもしれない。)

それでも当時は、同じ趣味を共有できる友だちと、和気あいあいと楽しむ日曜日みたいな、一種の見果てぬ夢としての提案だったのかもしれないなと感じてしまった。

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May 05, 2025

(SPI)Barbarian Kings 魔法の大陸 タクテクスNo.1(その2)

さて、タクテクスNo.1の特集記事が終わると(SPI)Barbarian Kings(邦題:魔法の大陸)のゲーム紹介記事が掲載されている。

ガチガチのシミュレーションゲームの研究記事から、急転直下ファンタジーマルチゲームの紹介記事である

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この記事の冒頭では「ファンタジーと言われると、童話の世界を想像されることだろう」との記述がある。1982年1月当時(発売は1981年12月だろう)はこの界隈でも、いわゆる「ファンタジー世界」というものに馴染みが薄かったであろうことが推測される。そうした中、ウォーゲームの中にはこういう雰囲気のゲーム(戦争シミュレーションではない)もあるんだという、紹介を兼ねた記事なのだろう。

このゲームの紹介として、記事を引用すると、「『魔法の大陸』は2~5人のプレイヤーが架空の大陸での大帝国の建設を夢見る諸王となり、軍隊を興して中立地帯の各種族や他王の軍隊と戦いながら領土を拡大、大陸支配を目指すゲームである。」となっている。

今となってはごく普通のファンタジーゲームに見えるが、当時、馴染みのないテーマでのウォーゲームは、恐らくほとんど人気がなかっただろうと思う。そうした点からこの記事は、もっと多様なゲームを出版しているSPI社のゲームを知ってほしい(できれば買って遊んでみて欲しい)という意図だったことだろう。

なお、この(SPI)Barbarian Kingsは、元の出版社であるSPI社が倒産したのち、1987年5月号のタクテクス第42号で、付録の折込ゲームとして出版されている。そのルールブックには、国内におけるファンタジー分野の浸透が進んだことを示すように、81年当時は「妖精族」として訳出されていた駒は、87年には「エルフ族」として訳出されている。

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May 03, 2025

タクテクスNo.1 

TACTICS誌の創刊号を入手した。わたしがTACTICS誌を買い始めたのは4号からだったので、今まで一度も読んだことがなく、また必要も感じていなかったので未入手だった。

最近になって、古本屋などに出入りするようになり、改めてコレクションしてみたいという気持ちも湧いてきたので、あちこち探していた。
だけど探し始めると、実はなかなか売っておらず(地方に住んでいると近所に古本屋も少ない。)、ネット検索をしても「TACTICS創刊号、買い取ります。」といったページはあるものの、売っているところを見つけられなかった。仕方なく、オークションに掛かるのを待つよりないということとなった。

そんな中、折よくオークションに出ているのを見かけ、古雑誌にしては少々値が張る(送料込み2000円弱)ものの、他に入手方法がないため、これを落札した。

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コレクションとして買った のだから、届いた創刊号を本棚に並べて眺めておしまいでもいいのだが、今まで一度も読んだことがなかったので好奇心が湧き、最初のページから順に読んでみることにした。

最初のページには「発刊のことば」が綴られており、一部を引用すると、「本書はプレイヤーの皆様が更にプレイを楽しんで頂くために『実用図書』として刊行された」とある。おそらくゲームを補完・再生・再構築したりする雑誌という意味なのだろう。

創刊号の特集記事は、(SPI)Battle for Stalingrad、(AH)Squad Leader、(SPI)Air Warの3本立てで、ゲームの内容を知らないと中々読みにくい記事が連なっている。だけど、戦争シミュレーションゲームでは対戦プレイの準備とプレイ時間が長時間であるため、ゲームを持っている人にしてみればありがたい記事であっただろう。(また、将来購入を考えている人にも魅力的な記事であっただろう。)

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私は特集記事の内容が余りにピンとこなかったため、(SPI)Battle for Stalingradの日本語版を広げながら記事を読んだ。その後、(AH)Squad Leaderについても、久しぶりに箱を開けて、初期配置を自分でしてみた上で記事を読んだ。
私にとっては、手元にある程度のアイテムが揃った今だから読むことができる雑誌だった。

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蛇足だが、本誌には(ツクダ)JABROジャブロー戦役の追加シナリオも掲載されており、第6話 ガルマ出撃す、第15話 ククルス・ドアンの島、第27話 女スパイ潜入の3本が掲載されている。

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March 27, 2025

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ゲームの面白さと勝ち負けは関係ないとは思っている。だけどゲームに勝ち負けはつきものだ。自分が勝てたゲームは、面白いじゃないか!とつい思ってしまう。

だけど、ゲームを始めた途端に、めちゃくちゃツキまくって、やることなすこと全部うまく行き続けると、だんだん恐ろしくなってきて、面白いかどうか判断できなくなる。

このクアンドというカードゲームをプレイしたときが、まさにそうだった。

このゲームは手番ごとに手札を捨てて、数字合計をできるだけ小さくするゲームなんだけど、手札を7枚配られた時点でもう勝てることになっていることが、実に4回連続で続いた。写真を見てほしい。

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あまりにもツイているので恐ろしくなり、ビクつきながら撮った写真だ。(初手で7のペアを捨てたら、0を引いてきた)こんなの考えるまでもなく俺の勝ちだ。みんな配られた手札を見ながら「うーんどうしよう」とか、つぶやきつつプレイしているので、けっこう思案のいるゲームらしい。

ちゃんとプレイしたかったのだが、あまりの勝ちっぷりに、もう一度やってみようとは言い出せなくなってしまった。

 いつもは、ゲームに勝てたら「運が良かった」などと答えることにしているが、さすがにこのゲームの後は「なんでかな?」としか言えなかった。

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February 18, 2025

(メビウス)ばったポーカー

北三陸アナログゲームズ20252月会で「ばったポーカー」をプレイしました。

3人で遊びました。3人とも初めてのゲームでした。

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ばったポーカーは、ごきぶりポーカーと名前が似ています(メーカーもデザイナーも同じです)が、全く違うカードゲームです。

ばったポーカーでは、チップを一番集めたプレイヤーが勝ちます。そのチップは、同種の作物のカードを3枚揃えると、1枚もらえます。

作物のカードは1度に3枚、場に出されます。これを手札の数字カードで取り合います。数字カード1枚を選んで一斉に出して数字を比べます。一番大きい数字カードを出した人から順に作物のカードを1種類ずつ取ります。

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同じ種類の作物のカードはひとまとめに取れますので、2・3枚が一度に取れたりします。

でも、ばったカードはいけません。ばったカードが手元に3枚揃ってしまうと、自分が今まで集めていた(チップに交換する前の)作物のカードを全部食べられて、捨てられてしまいます。ばったを避けつつ、作物を収穫しましょう!というゲームです。

作物のカードに入札する数字カードは全員同じカードです。1から6までの数字と、特殊カード2枚の合計8枚です。特殊カードは、場に出たカードを全部とれるAカードと、Aカードを乗っ取れるけど他には全く効力の無いXカード、の2種類です。

また、全員が手札1枚を選んで入札したとき、他プレイヤーと同じ数字カードだったら(AでもXでも)、その入札は無効になります。

手札のカードは入札に使ったら捨てられます。これによって手札がどんどん減っていってしまうので、強いカードがバッティングしたときなどは「うわー」と声が出てしまいます。

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ここまで読めば、これはまるでランドルフの「ハゲタカのえじき」じゃないか、と思う人も多いでしょう。でも、今は21世紀です。ゲームは少しずつ面白く変化しているのです。

その秘密は、数字カード8枚しかないのに、作物のカードが66枚もあるというところにありそうです。

 作物のカードは入手したからといって即座に点数(チップ)にはなりません。3枚揃うまでは自分の手前(自分の庭)に置かれます。他人の庭を見れば、誰が何を狙っているのかが一目瞭然です。ここから推測すれば、いま場に出ている3枚の作物カードが「熱い」のか「平凡」なのか、見当が付き易いので、入札する数字カードの選び方も戦略的になりますよね。

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加えてゲームが進むにつれて、各プレイヤーは数字カードを使い切ってしまいます。でも、まだ作物のカードは残っているので、使い切った数字カードをもう一度、全部手元に戻して、また入札を始めます。3人ゲームだとおよそ2回程度手札を戻すことになります。

1回目の入札の仕方を見て、AカードやXカードの使いかた、各プレイヤーのクセが見抜けます。またトップも決まってきますので、狙い撃つ算段を改めて練ることもできます。この作戦を練られるようになるあたりが、実は「クセもの」なんですけどね。

 誰でも簡単にプレイできる「ハゲタカのえじき」から、より考えやすくなった「ばったポーカー」は、時々、戦略的過ぎて頻繁にバッティングが起き、そのたびに「うわー!」とか「なんで?」とかの悲鳴が上がります。

 3人で遊んだ時も、トップのプレイヤーを引きずり下ろすべく、2位以下のプレイヤーが色々悪だくみを仕掛けるんですけども、引きずりおろし方の息が合いすぎてバッティングしまくり、かえってトップが得をするという「なんでやねん!」の展開になりました。結構笑えました。

 2人プレイも試したのですが、これはルールが一つ加わりまして、「相手がXを出し、自分が数字だったときは、場に出ている全てのカード(ばったカードも含む)を引き取る」というルールが加わり、これはまたこれで違う味わいがありました。

どうも、4人プレイが一番楽しそうなので、機会を見て遊んでみたいと思います。

 私はとても楽しめました。私が最も信頼しているプレイヤーからの評価も高かったので、さもありなんといったところです。ボードゲームギークでは評価が6.5と低めですが、所詮ギーク達の評価ですので、こういう軽めのゲームの評点は全く当てにならないと「私は」考えています。ボードゲームやカードゲームの面白さは参加プレイヤーによるところも大きいので、ゲームの評価は実際にプレイしてみないとわからないものです。 

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蛇足ですが、このゲームの原題は「Heuschrecken_Poker」という名前なのですが、ホイシュレッケという言葉に聞き覚えがあり、何だったっけと調べたら、ドイツ戦車の試作105mm自走榴弾砲の名前でした。

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February 17, 2025

(コロコロ堂)CONIC

北三陸アナログゲームズ20252月会でCONICをプレイしました。

写真は4人プレイの様子ですが、私は3人で遊びました。

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ゲームボードの4×4のマス目を手元のタイルで競り合うゲームです。手元のタイルは0から10までの数字タイルと特殊タイルが1つの合計12枚です。通常は競りに使ったタイルは戻ってこないのですが、0のタイルだけは何度使っても手元に戻ってきます。

競り勝った人はボード上にタイルを置き、次に競りを行うマス目を指定できます

ボード上のタイルの配置で点数が決まり、点数が多い人の勝ちというゲームです。

 16マスを3人で擦り合うわけですから、5か所か6か所で本気出さなくてはなりません。101番強いので、これで1か所を確保。特殊タイルは「競りの後出し」ができるので、これも強いからこれで2か所目。

あと4か所をどうするか?ってところで悩みます。9や8あたりならまだ行けると思うのですが、相手も絶対欲しいと思うマス(そこは自分にもオイシイ場所)には10や特殊を使ってくるため、必ず競り勝てるとは限りません。じゃあ、いつどこで使えば最も有効なのか?・・・ここが悩みどころですね。

 ただゲームが進むにつれて、相手がどのタイルを使ったかが見えてきます。また、盤面にも相手の思惑が透けて見えてきます。「多分このマスには最強タイルで勝負してくるだろう」とか「もう2人とも、8も7も使ってしまったな」とかヒントが増えてきますので、タイルを温存しておいて後から追い上げるのも良い戦略かもしれません。

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 まあそういうことは、対戦相手も同じく考えますので、自分がタイルを温存すれば、相手も温存してくるでしょう。だから、そんな時は「自分は関係ないけど、他のプレイヤーは大事な場所」を先に指定することで、相手の力を削ぎつつ「漁夫の利」を狙うという戦略もあるでしょうね。

 真正面から勝負に出て、全力で入札すると他のプレイヤーに0で応札され、肩透かしを食ったり、とはいえ一方では、微妙な数字で勝負すれば、結果も微妙にしか期待できないという、なかなか思いどうりにならない感じです。流石クニツィア。そんな中、他のプレイヤーの思惑がしっかり読めたりすると、自分の繰り出す会心の一手に胸のすく思いがしますね。そういう感じの楽しいゲームです。

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実はガチのアブストラクトゲームで、何なら鉛筆とコピー用紙とトランプ一組で遊ぶことができるのですが、コロコロ堂さんのゲームはボードもタイルも全て木製の豪華なコンポーネントとなっておりまして、なかなか所有欲も刺激される一品となっています。

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February 03, 2025

(Asterisk Games) Railways of the Lost Atlas

青森ゲーマーズネスト2025年2月例会で4人ショートゲームを遊びました。
全員18XXシステムは経験者で、このゲームは初めてという環境でした。
ルールインストとセットアップで1時間半、プレイ時間は4時間半でした。

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インストを聞いた感じだと、ゲームの仕組みに素直に従えば、まずはマイナーカンパニーを2社経営し、それらを線路で繋いで合併させ、メジャーカンパニーを設立し、長い路線や複数路線を運行・経営する、というのが王道かなと感じました。

そこで、第1サイクルのストックラウンドに、比較的近距離にあるマイナー2社を落札し、これを2回のオペレーションラウンドでつないで早めにメジャーに移行しようと考えました。

後から考えると、「マイナー社の社長株の競り」以外にも乗っ取りや買収、あるいは交渉などで比較的自由に序盤を考えることができたと思います。

ですが、なんとなく「序盤に出遅れてはならない。故に(他プレイヤーとの交渉などの)不確定な要素は排除したい。」と考えてしまいました。長時間ゲームの序盤で躓いて、以降ずっと苦しむのもマジでつらいので、リアルな意味でリスクは避けたくなりますよね。

他のプレイヤーも同じ考えだったようで、仲良く8社のマイナーを2社ずつ経営して始まりました。私はエクスプレス社(車両が1つなら停車駅を1つ増やせる能力)とイースタン・マイニング社(高額収益の鉱山タイルに駅を置く能力)を競り落としました。
本当は、もっと近距離にあるエクスパンシブ社(マイナー社なのにトークンが2つ置ける能力)とエクスプレス社の能力が噛み合う感じがしたので、エクスパンシブ社がとても欲しかったのですが、競り負けてしまいました。

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競りとなれば、なんとなく「できるだけ少額で競り落としたい」と考えてしまいますが、競り落とした金額が、そのままマイナー社の列車の購入資金になるので、最小限(120ドル)で競り落とすよりは、少し多めで競り落とした方が便利ですね。まあ、3社以上を競り落とすつもりなら、それに伴う資金計画が必要でしょうけど。

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ゲームの目的が「自己資産の増額」なのですが、どうしても自社の鉄道会社の経営を第一に考えてしまいがちです。ゲームの上の話ですが、社長になると経営に責任を持たなくてはいけないような気がするのは不思議ですよね。
もっと大胆に、他プレイヤーに売却を提案するとか、逆に他社に敵対的買収を仕掛けるとか、遊び方としてはいろいろあったと思うんですよね。(どうかな。)

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さて、私は当初の予定通り1サイクル目の終わり際にメジャーカンパニーを設立しました。ちなみに社名はイースタン・マイニング・エクスプレス・シンジケート社(黄色)です。各社が列車を買いましたので、2列車が売り切れ、3列車時代(グリーン時代)に突入しました。早いなぁ。

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さて、2サイクル目のストックラウンドに入ると勝負がかかってきます。できれば勝ち馬(成長株)に乗りたいが、自社株を買って自社の設備投資を拡充したい気持ちもある。けど自己資金は少ない。ここは様子見をしたいところだけど、早めに手を打つ必要があるのかもしれない。

うーん。

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線路のつなぎと車両の保有の状況を見ると、隣のインターナショナル・リソースフル・エクスパンシブ社(青色)が伸びそうだけど株が高値。次点が自社の黄色株。株は欲しいが、自社とはいえこのサイクルでの列車購入はないかもしれない。現在3列車時代なので4列車が買われると、黄色株の2列車は廃車になってしまう危険があるが、たぶん各社とも4列車を買う資金はなさそうなので、このサイクルに設備投資は必要ないと思える。というわけで、青色株を早めに購入しました。

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続くプレーヤーも青色株を購入するプレーヤーが続き・・・、あ、しまった。このままいくと、青色社が4列車時代まで買い込める資金が集まってしまう恐れがあるじゃないか!

あ、いやでも、さっき3列車(200ドル)を買った上に4列車(300ドル)までは、届かないか・・・うん、届かないな。危ない危ない。黄色も次のサイクルには4列車を買わないといけなくなるから、自己資金も温存しておいた方が良いかな?・・・いや、投資をしなければ資金は増えない。ここは最安値の紫株(アグリカルチュラル・サバーバン・エクスペリメント社)を安く買って今後の伸びに期待する方が良い。というわけで紫株を購入。

こうしてゲーム中の全ての場面でヒリヒリしながらプレイを続けていきます。

青色社は積極的に他社との相互乗り入れに動き、最高値先行を崩さず走り続けます。そうすることで自身が保有する他社株の価値もを上げていくという戦略は見事でした。わが黄色社も青色社にメリットにならないような場所をアップグレードし続けるなど、負けじと追いかけますが、なかなか追いつけません。

さらに黄会社は4列車の導入が遅れ、1ラウンドのあいだ運行不能に陥るなど業績不振になったりして株価が急上昇とはいきません。ただ、株価で2位を走っていた甲斐もあって、青会社株が市場から売り切れると、ようやく次なる投資先を求める、他のプレイヤーに黄色株が売れ始め、おかげで6列車を購入することができました。これに伴い、紫会社と緑会社(ノーザンポート・トンネリング・フェデレーション社)の車両がすべて廃車になるというような出来事が起こるなどして、ゲームは最終局面に突入していきます。

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少しでも自己資金と資産を増やし、他プレイヤーの資産を減らすべく、「他社株を銀行に売却して、株価を下げる」という手も思いつきましたが、他プレイヤーが買い上げればご破算になりますし、悪くすると他のプレイヤーを助ける結果にもなりかねず、これを断念。

そもそも後半にはプレイヤー全員の自己資金はジャブジャブで、どの株も売り浴びせなんぞで株価を下げるなんて意味がなくなっていたのです。健全経営は悪意のある株主を排除するのでした。

しかも7列車時代に突入し、今後時代の更新による列車廃車も起こりませんし、おそらく続けてもこのまま膠着する状況になりました。

そして折よく、ここで4サイクルが完結しゲーム終了。うむ納得。

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ゲームが始まったときは、考えどころや駆け引きが多く、とても時間がかかりますが、2サイクル以降は、各プレイヤーともはっきり課題が見えますのでスムーズにゲームが進みます。選択肢は多いですが、現実的な選択肢は1つか2つしかないように思います。

マイナー会社の能力も後半腐る要素とかもなく、すっきりしていて分かりやすいです。(この辺は変に拡張とか出さないでほしい)。良いゲームでした。可変ボードも「経験値がある人」たちと「新規参入者」の壁を取り払っており、誰ても何度も楽しめる仕様になっているところも好感度が高く面白かったです。

良い時代に生まれたと、良いゲームに出会う度にそう思います。
またプレイしたいと思えるゲームが増えました。

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January 24, 2025

(GP)カタン:新エネルギー

北三陸アナログゲームズ2025年1月例会でカタン:新エネルギーをプレイしました。4人プレイで1人は経験者、私を含め他3人は初めてでした。

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個人ボードをセットしていると、通常のカタンよりコマが色々増えたみたいで、「もう別のゲームになってたりして」とか思ったのですが、基本的なルール(戦略?)はカタンのまんまでした。
ただ、ゲームの終了が「誰かが10点以上獲得する」の他に、もう1つ「袋からチップ引けなくなる」が加わっていて、これに伴う勝利条件がそれぞれ異なるのは大きい変化かもと感じました。

自分の手番になったら、まず袋からチットを引いてボードに並べます。同種のチットが貯まるとイベントが起こり(その後チットは捨てられ)ます。次に、通常のカタンと同様に、ダイスを振ってカードなどを獲得し(もちろん手番プレイヤー以外ももらえます)、交渉なり建設なりをします。これを時計回りで繰り返します。

これだけだとそんなに変わったところはないんですけど、ゲームを大きく変える要素となっているのは、「エネルギー」と「電球カード」です。

このカタンの村や町には「発電所(丸に稲妻印)」がくっつきます。発電所を置いた土地から資源が出ると、同時に「エネルギー」1個がもらえます。

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この「エネルギー」は、いろんなことに使えますが、2個払えば好きな資源と交換できるんです。こうなると「港で2:1交換」てあんまり必要なくなっちゃうよね。てことは海岸沿いまで道路を繋ぐ必要もなくなったりして。

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また町のある場所から資源が出ると、通常のカタンでは資源を2枚もらえてましたが、このカタンでは代わりに資源を1枚と「電球」1枚がもらえます。「電球」は主に「発電所」を建てるのに使います。加えて「電球」3枚で好きな資源と交換できるので、「港で3:1交換」てほとんど必要なくなってるかも。

「港」に加えて「エネルギー」や「電球」で好きな資源と交換できる手立てが複数あるので、他のプレイヤーと交渉する必要もあまり感じないかもしれません。

「発電所」は2種類あって、安価だけど環境を悪化させる「茶色」と高価だけど環境負荷が少ない「緑」です。盤面に茶色が増えるとチットがどんどん引かれてゲームが早く終わり、緑が増えるとチットが増えてゲームが長引くようになっています。

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チット切れでゲームが終われば、最も緑の発電所を多く建てた人(緑から茶色を差し引く)が勝ちます。10点超えで終われば、点数が多い人が勝ちます。ここで注目したいのは、チット切れ終了なら、点数は考慮されず(タイブレークには関係する)、一方で、10点越え終了なら、緑の発電所は点数に全く関係ないところですね。

今回のプレイでは、後半、チップが少なくなったことを察知したプレイヤーが、できるだけゲームを長引かせるべく、競うように緑の発電所をたくさん建てまして、頃合いのいいところでチットが無くなり、数多く緑の発電所を建設(緑の数から茶色の数を引いて環境負荷を一番少なく)したプレイヤーが勝ちました。

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私はといえば、初期配置に失敗し、資源も貰えず道路すら伸ばせず、序盤と中盤を地蔵になって過ごした(カタンあるある)後、勝てないゲームなら、とっととゲームを終わらせようと、茶色の発電所を増産して(チットを減らそうとして)いたのですが、イベントでことごとくペナルティ(環境負荷が高いプレイヤーは資源がもらえない、あるいは手札の資源を捨てるなど)をさんざん食らい、超地蔵化しました。
更に、他のプレイヤーがゲームの延長(緑の発電所の建設によるチットの増加)に動いたため、さらに超地蔵時間が長引くという、なんとも笑えない結果になりました。後半はすっかり魂が抜け落ちて窓の外を眺めているだけの空気になっていました。魂を呼び戻すのにポテトマンを呼んだほどです。いけませんね。

このカタンは、プレイヤーのプレイング次第でのゲームの流れや勝利条件が大きく異なると思います。次に遊ぶときは、この辺を踏まえて遊んでみたいと思います。初期配置(強者の近くには置かない)は大事。

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January 21, 2025

(HJ)ハーモニーズ

北三陸アナログゲームズ2025年1月例会でハーモニーズをプレイしました。
遊んだのは4人。2人は経験済み、私ともう一人は初プレイでした。

ハーモニーズは、自分の土地に野生動物をたくさん呼ぼう(呼ぶと点数が取れる)という箱庭ゲームです。手番になったら、場に出ている地形タイル3個を取って自分の土地に自由に並べたあと、好きな動物カードを1枚取ります。これを繰り返して、地形タイルが並べられなくなったらゲーム終了。

地形の並べ方(長い川や背の高い樹木など)によっても点数が取れるし、動物カードに書かれた条件に合った地形によっても(そこには動物が住み着いたという意味)点数が入ります。

場にあるタイルは3個1組で、欲しくない地形も含めてすべて取らなくてはならないのは、アズールに似ています。が、先手番プレイヤーが取った後、即座にタイルが補充されるので、後手に対しての意地悪はしにくいですね。

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地形タイルの並べ方によって動物カードの得点になるのは、カスカディアに似てますが、自分の土地の広さ(結構狭い)によって自由度が限られため、序盤からじっくり考えてしまいます。

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ルールは単純で、点数などの細かい点もサマリや動物カードに分かりやすく(言語依存もなく)書かれているので、説明開始からゲーム終了まで1時間程度でした。疲労度(苦悩度w)もそれほどでなく、続けてもう1回プレイできそうな感触でした。

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動物カードは鮮やかで楽しいデザインで、自分が組み立てる箱庭も、最初は寂しいですが、次第にカラフルに出来上がりますので、ゲーム終了後に眺めているだけでも楽しいです。プレイヤー間の駆け引きはほぼ無いので、ゲームの経験値やプレイヤーの年齢に開きがあっても十分楽しめると思います。

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ゲームの結果は90点で2位でした。次にプレイするときはこれを超えたいですね。
最近、自然と動物をテーマにした作品はホント増えたなぁ。

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